研究成果について

超高屈折率ガラスを開発(2013/8/3発表)

超高屈折率ガラスを開発

江戸イラスト参上!!江戸時代から現在にタイムスリップしてきたでござる。

女の子イラストわあ!びっくりした~。何しにきたの??

江戸イラスト

せっしゃは、ガラス職人をしているのじゃ、未来はどれだけガラスの技術が進歩したのか見にきたのじゃ。

女の子イラスト昔と今では、ガラスの作り方もずいぶん変わってるんじゃない?

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江戸時代は、ガラスの材料を、窯でドロドロに溶かして液体にして、冷やし固めて、食器やとんぼ玉(ガラス玉)などを作っていた、今の時代は超ハイテク時代になったから、まったく違う作り方をするのでござるか?

イラスト1

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この前、SPring-8のホームページに東京大学生産技術研究所の増野助教、井上教授の研究グループが無容器法(図2)を使って、これまでガラスにならないと考えられていた材料から新しいガラスの開発に成功したって載ってたよ。しかも、無色透明でとても高い屈折率(図1)をしていたって。

図1
図1. 屈折率の仕組み

江戸イラスト無容器法とはどんな方法でござるか?

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ガス浮遊炉という装置を使って、試料に下からガスを吹きつけることで、試料を浮かせたままの状態を保ち、レーザーを当て加熱し試料を溶かして、ガラスを作る方法だよ。ガス浮遊炉は、例えると夜店でよく売っているおもちゃの「吹き上げパイプ」と全く同じ原理なんだよ!

図2
図2. 無容器法を用いたガラス作製装置

江戸イラストおぉぉ・・・たまげた!!

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この方法で出来たガラスは、写真では無色透明の普通のガラスに見えるでしょう?(図3)でも、SPring-8 で高エネルギーX線を使った実験結果などをもとに計算機シミュレーションで三次元構造を調べると、このガラスでは原子が多面体を作って隙間なくぴったり詰まっていて、それで高い屈折率を実現させていることが分かったんだ。
 原子の詰まり方が普通のガラスとはまったく違っているし、ガラスの成分を少し変えるだけで詰まり方が変わることも分かったけど、こういうことはこれまでの常識では考えられないことだったんだ。

図3
図3. 無容器法を用いて合成された成分の違う二種類のガラスとその原子構造

江戸イラスト今の日本のガラス技術は、昔と比べると大きく発展したでござるな。

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今回の成果をきっかけに、新しいガラスの開発が大きく進むかも知れないね。屈折率が大きいと光をぎゅっと大きく曲げられるから、携帯電話やタブレットPCのカメラがもっと良くなって細かいところまで見えるようになったり、より広い範囲の景色が撮影ができたり、体の中を見るのに使う内視鏡のレンズが小さくなって体に入れやすくなると期待されているんだよ。

 

井上教授増野助教小原主幹研究員 東京大学生産技術研究所
  教授 井上 博之(左)
  助教 増野 敦信(中央)
高輝度光科学研究センター
  主幹研究員 小原 真司(右)

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プレスリリース本文

カテゴリ物質・材料科学シリーズ投稿日2014年1月14日 14:56