物質・材料科学シリーズ2011年9月15日 14:29
こんにちは!ボク、京都大学の北川 進教授に開発された『多孔性物質』(ナノサイズの細かな孔(あな=穴)がたくさん開いている物質)です。
このコーナーには2011年1月、空気中の有害ガスを取り除くことで登場したよ。今日は、北川先生が見つけてくれた、ボクの新しいワザを紹介するよ!
新しいワザ?一体どんなことが出来るようになったの?
そういえば、なんだか、キミの“孔”の様子が違うかな?
そう!これが新しいワザの秘密さ!
今回は、北川先生に『ジスチリルベンゼン(DSB)』ってのを孔に入れてもらったんだ。これ、ボクの孔の形の変化を感知して光を発生させるんだ!
もともとボクの孔はとても柔軟に変化するんだけど、DSBが入ったボクの孔は、二酸化炭素(CO2)に反応して変化するから、ボクの周りにCO2が来たら、ボクは青色に光って皆にCO2があることを教えちゃうことができるんだよ。
つまり、ボク、“センサー”になれちゃうんだ!
キミのその小さな孔が本当にそんなことできちゃうの?
ちゃんとSPring-8の光でも観察してもらったよ。
DSBが入ったボクの孔は、最初、ひし形なんだけど、CO2が近くにくるとDSBの脇に入り込んで、ボクの孔の形は正方形になる。孔の形が変わるからDSBが、光るってわけさ。孔の形の変化が大きければ大きいほど、DSBは光り方を変えるから濃度もわかっちゃう。
今や、これまで皆がCO2とよく間違っていたアセチレンガスもちゃんと見分けられる正確さも評判さ!すごいでしょ?
このボクの新ワザを活かせば、今までスグに判らなかった有毒で危険な色んなガスの存在を、一目で皆に教えてあげられる。ボク、色んな分野で使ってもらえるように、もっと技を磨いて・増やしていこうと思うよ!期待して待っててね!
物質・材料科学シリーズ2011年9月15日 14:29